自尊心を守るために

心の傷、自尊感情の傷になっている原因の多くに

愛情不足・条件付きの愛・言葉の暴力などが挙げられます。

愛情が不足していると、自分に価値があるか信じることが難しいです。

大人であれば自分の心の中で理解、解消していけますが

子供は、大人が自分をどう扱っているかやどんなふうに話しかけるか

自分についてどんな話をしているのかが自分の価値につながります。

自分が大切な存在なのか、価値があるのかどうかを

学んでいく最初の場であるのが家庭です。

愛情に欠けている親の特徴として『一貫性のなさ』が見受けられます。

ある時は支え、ある時は自分でどうにかしろという。

ある時は優しく、ある時は非難したりキツく当たる。

親、特に母親の賞賛や愛情表現に一貫性がないと子供は

自己肯定感を持てずうつ病になりやすいという研究結果があります。

大人になった今も漠然とした生きづらさを感じている人は

親の一貫性のなさを体験したのかもしれません。

このような経験が続くと、自分には価値があるのか

親にとって大切なのかがわからず混乱し

自尊心への疑いが生じ、自分は不十分と感じます。

一貫性のなさ以外にも、その場から親がいなくなるという

身体的にも感情的にも愛情をかけてもらえない『不在』も愛情不足の要因になります。

家庭の事情はそれぞれいろんなことがありますが

子供は精神的に未熟なために親の不在の理由が理解できず

全てが“自分のせい“と感じやすく、心の傷の原因となります。

心の傷への対処として様々な方法をとろうとすることでしょう。

完璧主義になる人や、人を喜ばせようとする人

できるだけ役に立って価値を示そうとしたり

成績や能力を上げることに全集中したり。

親を幸せにするために全力を尽くし、

親が幸せなら価値のある子になれると願って過ごす結果、

家を離れた後も完璧であり、周りの役に立ち、

業績を上げ、人を喜ばせ続けます。

愛や思いやり、つながりや親密さを得るに値すると信じたいために

それらをずっと続け、生きづらさや違和感を拭いきれないまま

自分の心だけが疲弊していく状態を作ってしまっています。

もしもあなたが子供の頃、そのような子供であったのならば

あなたがどれほど頑張ってきたか、私はよくわかります。

偉そうなことを言うつもりではなく、

それは自分が誰よりも親の愛情を求めて生きてきたからです。

自尊心を守るためにたくさん頑張ってきたんですよね。

しかし親子の悩みというのは複雑に感じます。

親にもまた親がいて代々受け継がれていく環境や考え方があり

とても根深い問題だったりします。

だとしても、人を変えることはできなくても

簡単には解決できなくても

自分にできることはたくさんあると思っています。

生い立ちを振り返り心の傷となっているものを見つめて

あなた自身の力で、自分の心を癒していけると信じています。

自尊心を守るために、自分の価値を確かなモノにするために

これまでたくさん努力してきたことと思います。

そんな自尊感情を守るための努力を

認めてあげることも癒しの一歩となるはずです。

【〇〇してくれてありがとうね、

〇〇のために頑張ってくれてありがとう】

自己否定ではなく自己感謝に切り替えていくことが大切ですね。

親子関係にお悩みをお持ちであったり

自分自身のために生い立ちを振り返ることに

1人じゃ心細いとお感じの方はぜひお手伝いさせてくださいね。

子供

投稿者プロフィール

国本 千尋
国本 千尋くれたけ心理相談室(松戸支部)心理カウンセラー
あなたにとって心から安心できる
心の拠り所になれるよう、
笑顔と感謝の気持ちを大切に。

人間関係/親子関係/自分自身のこと/夫婦関係/HSP/アダルトチルドレンなど。

コメントはお気軽にどうぞ